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クリティカルシンキングって結局何?目的・使い方・注意点


クリティカルシンキング。「批判的」思考。なんだかものものしい表現ですよね。喧嘩売ってるのかと。

クリティカルシンキングと書いてあるビジネス書を読むと、色々なテクニックが書いてあります。論理構造をチェックしてみよう、様々な立場からものごとを多面的に見よう、時間軸を変えてみよう(短期⇔中長期、過去⇔現在⇔未来)、などなど。実際、それらは確かにごもっともでクリティカルシンキングのカテゴリに含まれるものなのですが、あらためて総体的に眺めると、結局クリティカルシンキングとは何者なのかがよく分からない。

結局、クリティカルシンキングって何なのでしょう?

クリティカルシンキングの目的

出来る限り正しい意思決定を行うこと

これがクリティカルシンキングの目的です。よく考えもせずにノリで意思決定して、実行したらダメダメで、イタい思いをすることが怖いのです。だから、しっかり考えた上で意思決定したい。その「しっかり考える」考え方がクリティカルシンキングです。

重大な意思決定をするときの怖さを取り除く

例えば数億円の投資に対する意思決定。あとボタンを一つ押すだけで出費が決定する。怖いですよね?営業の人だと、本当に受注したいお客様への最終提案内容など。その成功失敗によって今後のキャリアが左右されることもあるでしょう。経営者になってくると、事業計画の承認、会社買収の決定、人事、他の企業との提携…。一つ間違えれば自分の人生どころか背負っているメンバーの人生にも大きな影響を与えかねません。

そりゃあ慎重に意思決定しますよね?

じゃあどうすればいいか?という時に使うのがクリティカルシンキングです。後から後悔しないための思考法ともいえます。

クリティカルシンキングの使い方

端的に言うと、ずらして目の前のアイデアをチェックすること。それに尽きます。

「人」をずらしてクリティカルシンキング

抽象的に書きましたが、つまり立場を変えてアイデアを見ることです。例えば以下のような立場です。

  • 契約の相手方の立場
  • 社内の他部署/他役職の立場
  • (ビジネスモデルによりますが)お客様のお客様の立場
  • 仕入先の立場
  • 競合の立場
  • 専門家の立場

目の前のアイデア。自分のアイデア。可愛いです。ぜひとも実現させたいです。ですが、実現させたいがばかりにいつのまにか視野が狭くなっている。あるあるですね。たまたまアイデアが通って実施できることになったとしても成果が出せず痛い目をみるかもしれませんし、そもそも視野の狭いアイデアがきちんとした会社で通ることは無いんじゃないかと思います。これを色々な立場に立ってみることでアイデアをチェックし改善する。それがやりたいことです。(ちなみにこのテクニックは「視座の移動」です。)

よく使われている立場が、「統計」「調査」「分析」の専門家。理論的な分析の手法から照らし合わせる、調査の方法が適切か確認する、調査した情報の加工・加工された情報と導き出した見解に矛盾がないかを確認する。適切に意思決定をするために、目の前の情報を信頼していいか検証します。不確かな情報・間違った情報や分析をもとに意思決定したら大変ですよね。

「時間」をずらしてクリティカルシンキング

先程は様々な人になったつもりでアイデアを見てみようという内容でしたが、今度はそれを「時間」で行います。時間のずらし方には2つの方法があります。

1つ目:純粋に、過去や未来にタイムスリップする
  • 過去:現在に至った経緯や流れを押さえているか?
  • 未来:このアイデアが実現されたとすると、数年後にどんな世界が待っているか?
2つ目:時間のくくり方を変える
  • 1年単位で考えていた企画を5年単位の大きな流れに置いてみる(短期→長期)
  • 3ヶ年計画を1ヶ月単位で区切ってみる(長期→短期)

これら2つの方法はチェックという側面でも大切ですが、実際に使ってみるとアイデアをふくらませるのにも有用なことがわかります。時間軸をずらしたらアイデアがわいてくる、なんて体験を楽しみながらスキルアップするといいですね。

「目的」をずらしてクリティカルシンキング

木を見て森を見ずパターンと、細部に神は宿るパターン。この2パターンになります。課題をツリー状に分解した時、今目の前にあるアイデアについて上の階層や下の階層をチェックすることです。

木を見て森を見ずパターン

そもそも論 の確認です。

「そもそも、このアイデアの目的って何だったっけ?」
「大きな視点で課題を捉えなおしてみると…」
という言葉が活用時に発せられます。

どちらかというと、目の前の課題に視野が狭まりすぎていて、本来解決しなくてはいけない課題に対してバンソウコウでも貼るような対症療法をしてしまうパターンに使います。

そもそも論を使ってクリティカルシンキングしてみると、より本来的な課題を解決しようというパワーが働き、アイデアを練り直した時にスッキリした感じを覚えます。

細部に神は宿るパターン

やたらデカいことを言うけど、具体的な対策案が無かったり、デカいこととやることのつながりが全然分からなかったり。

目の前の相手が抽象的な発言・アイデアを提示してきたら、このモードを発動するときです。

具体例:マーケティング初心者・20代男性の発言。
「目的」をずらすクリティカルシンキングについて、具体例を見てみましょう。

「ブランド力が課題です!ブランディングをしましょう!」

→ 言ってるとカッコイイ気分がするから、こんなこと言ってみたくなるかもしれません。

「そのために◎◎のサイトで記事広告を出しましょう!」

→ ………。雲行きが怪しくなってきました。ツッコみどころ満載です。

上記の発言のどちらかが妥当な場合を考えてみましょう。

●記事広告 が妥当な場合(木を見て森を見ずパターン)

「そもそも記事広告ってブランディングじゃないよね?」
という発言からスタートします。

記事広告の目的は広く顧客に情報を伝えること。新しく商品を購入してくださる方を増やしたいとするならば、認知を広げて買うか買わないかの検討をする人の母数を増やす取り組みです。

認知向上

これがレベル感を上げたときの本当の課題だったということになるでしょう。

●ブランディング が妥当な場合(細部に神は宿るパターン)

商品の場合、ブランディングは、常に顧客の期待や信頼に応えるよう行動し、ユーザーをはじめとしたステークホルダーの共感や支持を獲得・拡大していくこと、またそれに関連する一連の活動のことである。

Wikipediaより

期待や信頼に応えるよう行動することがブランディングです。では具体的にどんな行動を取ればいいか?ここにツッコミのポイントが隠されています。

ブランディングというカテゴリで、やるべきことをすごくシンプルに言うと以下の通り。
顧客にとってどんな存在でありたいかを明確にする→その方針に従い、期待や信頼に応え続ける→結果として、顧客の認知と自社のありたい姿が一致してくる

彼の課題認識が正しかったとすると、長い時間を積み重ねて一つ一つの仕事で信頼を獲得していくことが求められてきます。

おすすめ本

「社会調査」のウソ―リサーチ・リテラシーのすすめ (文春新書)

一見クリティカルシンキングの教科書ではありませんが、相当クリティカルシンキングで「社会調査」をツッコミまくっています。目の前の情報から真実を探そうとする姿勢が、イヤというくらい分かります。

クリティカルシンキングの注意点

クリティカルシンキングが使える人に共通する特徴。

「感じ悪い」

このあたり、「批判的」思考という名前に恥じない効果です。厳密に言うと、「(クリティカルシンキングを知らない人が)感じ悪い(という印象を持ってしまう)」ということになろうかと思います。誰でも、自分のアイデアを疑われたらイヤですよね。信じて欲しい、任せて欲しい、という感情を抱く人のほうが多数ではないでしょうか。この感じ悪さは消せます。ゼロと言わなくても、限りなく小さく出来ます。それは簡単なことで、感じ悪いことを自覚して口調や言葉を気をつければいいのです。個々の成長という観点では、クリティカルシンキングの本質を知り、腹落ちし、使えるようになることはとても重要です。だって仕事の成功確率を高めるスキルですから。まずはクリティカルシンキングが出来るようになる。その次に相手の心象も良いクリティカルシンキングを使う。この順序で会得するとよいのではないでしょうか?

参考記事

ロジカルシンキングとの違いはこちらから。

 

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