サブレ

視座。相手の立場にたって考えるとスッキリ。視野との違いも押さえよう。

視座。端的に言うと、「相手の立場にたって考えよう」むちゃくちゃ大事な考え方なのですが、20代のビジネスパーソンにでは知っている人、さらにそれを理解している人は少数です。視座を移動させると、ものごとが多面的に見られます。「視座を移動」し、色々な人の立場からものごとを見てみると、目の前の取り組みに対して様々な気付きや疑問点が生まれます。その気付きや疑問点を生み出すことがこのスキルの目的です。

仕事のできる人はこの考え方を感覚的に会得していることが多いと思います。大組織では昇進の速い人、社内で立ち回りのうまい人も得意なように見受けます。それはなぜか。整理してみましょう。

視座とは?視野との違いは?

実際のモノで考えてみましょう。例えば円筒が空中に(垂直に)浮かんでいるとします。下から見ると、◯に見えます。真横から見ると、四角に見えます。真上からみるとまた◯に見えて、斜めから見ると上底と下底が弧を描いた四角形に見えます。同じ物体でも、見る場所によって姿形が違って見えることもあれば同じように見えることもあるのです。これをあぶり出していくのが視座です。

視野は、一つの視座から見える視界の広さです。この視野という言葉をさして、視座について説明される混同もよくあるのではないでしょうか。様々な視座から、広い視野で、ものごとを捉えられるとベストです。

クリティカルシンキング×視座

視座の移動はクリティカルシンキングをするためのいち手段です。ものごとを決めるとき、行動内容を選ぶ時、様々な関係者の立場にたってその課題を見てみると気付きや疑問点が生まれます。これを意図的に起こしていくのが視座の移動です。それによって事前に気づけなかった本質的な課題を発見し改善する方法も定め、アイデアを改善していくのです。

問い掛け方としては、こんなイメージです。こうやって色々な人の立場になって一つのことを見つめ、本当に大切なこと・要素をくっきりと浮かびあげていくのです。

「相手の立場にたって考える」=視座の移動

幼稚園や保育園の頃から、誰しも言われ続けているのではないでしょうか?結局、視座の移動とは、「相手の立場にたって考える」ことに尽きるのではないかと思います。それを社会人として、仕事中に意識し使っていきましょう。ということです。そんな簡単なことなのに「視座」など用語があったり、ついつい忘れて仕事をしてしまうのはなぜか?理由は2つではないでしょうか。

にんげんだもの、誰しも自分の気持ちが一番大事です。それは受け容れなければなりません。一方で問いかけるべきは、最後に本当に自分の気持ちが満足する行動を取れているか?たった今、瞬間的な気持ちじゃないか?ということです。落ち着いて、あたりを見回して、まずはまわりの情報を整理しましょう。そうすると、今まで見えていなかったことが見えるようになり、気づいていなかった視点・観点が得られます。それをもとに、もう一度自分のアイデアを見てみましょう。もっとよく出来るはずです。
また、たとえば「社長」「首相」、たとえば「シニア」「赤ちゃん」など、当該本人がどんなことを日々考え、どんなふうにものごとを見ているのか分からない人は必ずいると思います。これもまた、それらの人に視座を移動するのは難しいことです。じゃあどうするか?諦めるか?いいえ、出来る限りでいいので頑張りましょう。頑張り方は2つで、(1)調べる>(2)想像する です。本人に直接聞いてみることに勝る調べ方はありません。それが可能なら聞きに行きましょう。ダメなら本・ウェブなどで情報をあたりにいきましょう。偉くなればなるほど、本・ウェブの情報量は多くなることでしょう。それでもダメなら自分なりに想像するしかありません。思春期の子供が「妄想」にふけるのと同じ要領で構いません。それをくり返すうちに想像の精度が上がります。

視座の移動が上手な人は出世する

最後に大組織にいらっしゃる方むけに。このスキルですが、出世する人が共通して持つスキルではないでしょうか?上司の立場にたって、上司の上司の立場にたって、ものごとを考え続けているから仕事にその観点を組み込める。結果評価が上がる。それが継続すると上司は早期抜擢にふさわしく感じる。…(それを繰り返す)。今度は部下が出来ると、部下の立場にたって、部下の部下の立場にたって考える。仕事に組み込む。そうするとチームを率いやすくなるから成果は上がる。…(それを繰り返す)。こんな良いサイクルを生んでいるんじゃないかと思います。

「相手の立場にたって考える」って、本質ですね。